みなさんは「がまん」と聞いて、どういうイメージを持ちますか?
「耐える」「つらい」「苦しい」といった、どうしても暗い感じになりがちではないでしょうか。
今回ご紹介する「菊名神社」は、「がまんさま」と開運の社と言われています。この「がまんさま」とはいったい何なのか、その謎を解くために「菊名神社」へと向かいました。
「菊名神社」漆黒の鳥居
菊名駅東口から徒歩3分で「菊名神社」に到着。緑の木々に囲まれた漆黒の鳥居が、とても優美で一瞬見とれてしまいました。
この日は初夏のような日差しのなか、爽やかな風が葉を揺らしていてなんだか心地良い気分。浮き立つ気持ちで鳥居をくぐると、狛犬がしっかりとにらみをきかせていましたよ。
「菊名神社」の神々
まずは「菊名神社」の御由緒を簡単に説明しましょう。むかし菊名の地に、村の鎮守の社が5つありました。
- 神明社(天照皇大神)
- 杉山神社(日本武尊)
- 浅間神社(木花咲耶姫命)
- 八幡神社(譽田別命)
- 阿府神社(武内宿禰命)
これら5つの神社を、昭和10年に杉山神社の地に合わせて祀ることになり、このときに「菊名神社」と改名します。その後八幡神社の地へ社殿を移設し、現在に至ります。
これにより神様が合わせて5柱、「菊名神社」に祀られていることになります。
そうなると御利益も多岐にわたり、開運招福、商売繁盛、安産子授け、健康長寿、無病息災、交通安全、出世開運、五穀豊穣、子孫繁栄など驚くほどです。
地域の方々が御利益を授かりにくるのもわかりますね。
では境内へと戻りましょう。鳥居を入ってすぐ左に向かいます。
「がまんさま」登場!
今回の本命である「がまんさま」にとうとう会えました。
一番奥の黒い龍がいる手水鉢の下を見ると、四方を鬼の石像である「がまんさま」ががっしりと支えています。鬼なのにその姿はなんだかとても愛らしいものでした。
「がまんさま」は、江戸時代の寛政年間(1789~1801)に築かれたとされています。その鉢を支えている姿が、「手水鉢を守る仕事に不平を言うことなく」、「長い年月苦難に耐え続けている」と、いつしか人々に親しみを持たれるようになります。
そして人の道というものは「努力・忍耐・継続」、これこそが開運を招くとして、まさに「がまんさま」が、それを人々に諭しているのだと言われるようになりました。
こうして人々の尊敬を集め、現在では開運招福を呼ぶ「がまんさま」とされ、「菊名神社」の象徴として愛され続けているのです。
よく見ると4体それぞれのお顔が違います。どれもステキなので、ぜひじっくりとご覧になってください。
手水鉢の向かいには大きな「がまんさま」の絵馬があります。近くでわんちゃんがのんびりと昼寝をしていました。境内では時間の流れがゆっくりになる気がしますね。
社殿の天井画は必見!
中央の階段を登り、真正面にある社殿の前でお参りを済ませたあと、ふと天井を見てみると美しい天井画がありました。
「菊名の絆」をテーマにして作られたこの天井画は、中央に菊の花が描かれ、4つ角では表情の違う「がまんさま」が力強く見守ってくれています。どっしりとした姿が頼もしいですね。
「がまんさま」の頭を撫でましょう!
社殿のすぐそばに、大きな「がまんさま」が鎮座していました。こちらは頭を撫でることで、御利益がいただけるそうです。
「がまんさま」の頭はなんとも撫で心地の良いサイズ。またしゃがんでいる姿がどこか微笑ましいのですが、目には強い意志を感じました。
御朱印やお守りが充実♪
この日もおひとり、「菊名神社」の御朱印をいただいている方がいらっしゃいました。こちらでは「がまんさま」をイメージした3種類の御朱印帳も販売されていますし、御朱印の種類が多くカラフルで美しいと評判だそうです。
お守りもたくさんの種類があります。健康、合格、学業、安産、交通、心癒し、縁結びなどさまざまですが、なんと言っても「がまんさま」のお守りが豊富にあり、見ているだけで楽しめますよ。
いかがだったでしょうか。
「がまんさま」は強い意志を貫き通すことを、どこか楽しんでいるように見えませんでしたか?「がまんって苦しいことばかりじゃないよ」なんて声が聞こえてくるようでした。
「がまん」や「がんばる」ことに疲れたなと感じとき、ふらりと「菊名神社」を訪れてみるのもいいかもしれません。きっと「がまんさま」がパワーをくれるはずですよ。
菊名神社
住所:神奈川県横浜市港北区菊名6-5-14
アクセス:東急東横線・JR横浜線「菊名駅」東口徒歩3分
TEL:045-431-9344
お守り、お神札受付時間:9:00ー17:00