進学や就職、新社会人や引っ越しなど、4月は新生活がスタートする季節ですね。
今年の東京の桜(ソメイヨシノ)の開花日は3月27日でしたが、桜の見頃は開花日から一週間を過ぎたころです。どの方も満開の桜の中、新生活を迎えたのではないかと思います。
桜(ソメイヨシノ)は、「桜前線北上中」と言われるように、日本各地に広く分布し、珍しいものではないのですが、「戸塚区の桜は少し特別」なのです。あるいは戸塚区民がちょっと自慢に思っている、そんな理由をお話ししたいと思います。
戸塚を流れる「柏尾川」と桜の今昔物語
JR東戸塚駅〜戸塚駅の間を流れる「柏尾川」は、先の大船・藤沢へと流れ込む全長約11kmの二級河川ですが、柏尾川と桜の歴史は深く、江戸時代末期までさかのぼります。
「戸塚宿」は東海道五十三次の5番目の宿場、日本橋から出発してから一番目に宿泊するのにちょうどよい距離にあることから、江戸時代より多くの人が訪れ、にぎわう場所でした。当時より柏尾川の両岸には桜の木がトンネルのように並び、「桜の名所」として、訪れる人々を魅了していたことでしょう。
その後、戦争による伐採や、柏尾川の洪水を防ぐための河川周辺整備などによる伐採を経て、今に至ります。
現在は、戸塚駅を中心とした遊歩道「柏尾川プロムナード」に、約700本の桜が立ち並んでいます。3月の終わりには、プロムナードに沿ってぼんぼりが灯り、たくさんの屋台とパレードのあるにぎやかなイベント「戸塚桜まつり」が開催されます。なんと、昭和32年から催される長いイベントなのだそうです。(今年は中止となりました)
このような長い歴史をもつ戸塚の桜も、歳をとっていきます。そこで行政では、区民のボランティアの方々「桜セーバー」のお力を借りて、保全活動を行っているそうです。戸塚の桜が今年も美しく咲いてくれるのは、区民ひとりひとりが大切に育てているおかげであるということ、戸塚区民の私もうれしく思います。
戸塚自慢!区花は「桜」なんです
さて、桜の季節になると、何故誇らしい気持ちになってしまうのか?
横浜市18区それぞれに区のシンボルマークや「区の花」が制定されているのですが、戸塚区の区の花は「桜」なのです。
平成11年の戸塚区制60周年を記念し、戸塚区民に公募したところ、6割以上の人が「桜」と投票したそうです。そこで戸塚区のシンボルとも言える柏尾川の桜並木を表して「桜」を区花と制定しました。
柏尾川と桜にまつわる歴史、そして区花としての桜、そのような訳で、毎年桜の季節になると、なんとなく誇らしい気持ちになってしまう戸塚区民なのです。
毎日の暮らしが少しうれしいものになる、柏尾川と桜
桜のほころび始めると、柏尾川プロムナードを「桜はまだか」と散策する人が増え始め、満開の頃には河川敷でお花見を楽しむ人々でにぎわいます。新緑の季節には、バーベキューやピクニックを楽しむ姿をみかけるようになります。
また柏尾川プロムナードは整備された平坦の遊歩道であり、歩行者と自転車の通る道を分けているため、ウォーキングやジョギングにも最適です。
戸塚在住ではない方も、春の季節にはぜひ戸塚へ、歴史ある桜並木を満喫しにいらしてくださいね。
柏尾川プロムナード
住所:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町
アクセス:JR東海道本線、横須賀線、湘南新宿ライン、横浜市営地下鉄ブルーライン「戸塚駅」より徒歩約3分