バーの発祥地・横浜。そんな横浜に、1度食べたら忘れられない!やみつき必至のおつまみ燻製専門店があるのをご存じでしょうか。
丁寧な仕事と朗らかなお人柄が魅力の、燻製を極めた「燻匠」がいるお店。今回は横浜燻製工房をご紹介します!
横浜が誇る、隠れた「名店」
横浜駅から徒歩約15分。ポートサイド方面、神奈川公園やプラザ栄光を目指してくると分かりやすいです。
神奈川公園を通り抜け、矢印の方向にまっすぐ進むと、左手にお店があります。
住宅街にひっそりある上に、目立つ看板もなし。初来店は迷子になる方が多いかもしれません。このような店構えにしているのは、お客さんが感じる「知る人ぞ知る、とっておき感」を大切にしたいという想いから。
同店はTVや雑誌、著名なバーや大手ホテル、百貨店から引き合いが絶えない、横浜が誇る「燻製の名店」。文字通り、知る人ぞ知る…なお店です。
店頭には燻製のメニューがズラリ!どれを購入しようか、確実に迷います。燻製の種類は随時変わるため、お目当てがある場合は、電話で在庫の有無を確認してから来店するのがオススメ。
購入時は、こちらのインターホンを。
燻匠・栗生(くりう)さんが出迎えてくださいます。オススメを尋ねると「私、ですね!おいしい燻製を作れるので(笑)」とお客さんを和ませてくれる、朗らかで人情味深い方です。
作るものには人柄が出ると言いますが、同店の燻製には、そんな栗生さんの「懐の広さ」が表れているように感じます。
決済方法も豊富。あれもこれも食べたい!とたくさん注文するケースが多いので、本当にありがたい。
そして、これは超重要!来店前に電話で営業の有無を確認しておくこと!百貨店やお酒のイベントに引っ張りだこで、栗生さんが店舗不在のケースも多いからです。
ちなみに、店舗以外に、ネット販売や横浜高島屋などでも購入可能です。
横浜燻製工房の魅力
では、お店の魅力について紹介していきましょう!
「本物の燻製」に出会えるお店
横浜燻製工房の魅力はなんと言っても、おいしさ。
1度同店の燻製を味わうと「もう他の燻製には戻れない…」そんな段違いのおいしさに驚かされます。無論お酒との相性は抜群!想定以上にお酒が進んでしまうので、ご注意を(笑)。
手土産として持参すれば「これどこの!?めっちゃおいしいんだけど!」と大絶賛!宅飲みのレベルを一気に格上げしてくれるのはもちろん、ほかほかごはんや料理のアクセントとしても、いい仕事をする優秀すぎる燻製なんです。
同店の特徴は「素材の旨み」をこれでもかと引き立たせている点。「燻製された素材の味、食感がきちんとわかる」という点がポイント。他の燻製だと、こうはいきません。
同店の燻製に出会って初めて、「本物の燻製って、これだよね!今までは単に『燻製味』がするものを食べていたんだ」ということに気がつきました。
「燻製は横浜燻製工房のでなくっちゃ!」そう言い切れるほどのおいしさ、ぜひ味わってほしいです♪
オリジナリティーが高い!横浜燻製工房でしか買えない燻製
横浜燻製工房では60種類を超える燻製を作っています。「どんな味わいで、どんな食感なんだろう」と好奇心をくすぐられるラインナップも魅力の1つ。
また、「能登屋のさつまあげ」や出川哲朗さんのご実家「つた金の昆布」など横浜を代表する老舗店とコラボした商品も手掛けています。
他にはない変わり種や横浜らしい燻製に出会えるのも、横浜燻製工房ならではの魅力です。
来店する楽しみがあるお店
同店では「旬」を大切にした燻製づくりがおこなわれています。横浜卸売市場が近いため、魚や野菜の鮮度も抜群!そのため、店頭に足を運べば、素材の1番おいしい時期を見極めて作られた燻製を楽しむことができます。
あっという間に貯まる、燻製と交換できるスタンプカードもうれしい。
また、燻製について直接話を聞けるのも、楽しみの1つ。聞けば、燻製のおいしい食べ方からその燻製が完成するまでの苦労話まで、笑いを交えながら教えてくださいます。
作り手の想いやこだわりを感じながらいただく燻製、杯を傾ける時間は、やはり「格別」。そんな贅沢で楽しい時間を演出してくれるのも、横浜燻製工房ならではです。
おいしさの秘訣
1度食べたら忘れられない、横浜燻製工房。実は、全工程を栗生さんお1人で担っています。すべて「手作り」のため、機械のように大量生産はできません。
しかし、手間や時間をかけ、1つ1つ異なる素材の機微を旨みに変える職人の技や経験、感性が、そこにはあります。機械には作れないおいしさが、お客さんを魅了しているわけです。
「燻製はただ燻製するだけで、できあがるわけではありません。料理を作る際には、どんな素材を使うのか、どんな下ごしらえをするのか、どれくらいの火加減でどのくらいの時間、煮たり焼いたりするのがベストなのかを考えますよね?燻製も同じです。
最高の素材選びから始まり、その素材のおいしさを引き立てる下処理・下味の方法、燻製する木材の配合や燻製する温度や時間など、どんな掛け合わせが1番素材の旨みを凝縮させられるか、Try & Errorを繰り返して作ります。
お客さんに『おいしい!』と言ってもらえるように、手塩にかけて燻製を作っています」と栗生さん。
お話しされる姿からも「魂込めて作っている」ことが伝わってきます。
研究に研究を重ね、職人としての技術や経験に磨きをかける。そして、情熱をかけて一途に「向き合う」。その姿勢があるからこそ、食べる人の心に残る燻製ができるのです。
横浜燻製工房のなりたち
横浜燻製工房は2009年にWeb販売、2011年から店舗販売をスタート。店名の由来は、栗生さんの出身が横浜であること、燻製を横浜で根付かせたいという想いのもと、名付けられています。お店のコンセプトは、「いちいち、おいしい」。
「阪神百貨店で試食したお客さんが、『これはもう、いちいちおいしいだね!』と言ってほめてくれてね。そのままお店のコンセプトにさせてもらったんです」と笑顔の栗生さん。お店の特徴やお客さんとの出会いを大切した、とてもステキなコンセプトです。
栗生さんが燻製と出会ったのは大学生の頃。趣味の釣りで魚が80匹以上釣れてしまい、お父様から「燻製にしてほしい」と頼まれたことがきっかけです。
それまで燻製作りなどやったことがなかった栗生さん。本を読んでは試行錯誤を繰り返す日々だったと言います。
「初めに試した一斗缶は温度が安定せず、レンガでは熱がこもりすぎ、次に試した段ボールは風で倒れて燃えたり、雨の日は作れないなど、あらゆる方法を試しました。
苦労してようやくできた燻製も、しょっぱかったり、硬かったり…。何が正しいのか分からない状態からのスタートでした」懐かしむように語る栗生さん。
「温度も保ちつつ、適度に湿度を吸ってくれる素材は無いだろうかと考えた時に、ベニア板はどうかとひらめいたんです。
実際に試してみたら、おいしくできてね。だったら木の箱で作ってみよう!と友人の宮大工に相談し、最終的にたどり着いたのが、この燻箱です」
素人目で見ても伝わってくる、この存在感と重厚感。いぶされてセピア色に染まった様子が一段とその歴史を物語っています。
「木の箱の中で火を焚いても、燃えない構造にできているんです。よく考えたら不思議ですよね。「桐タンス」と似た作りで、接着剤や釘も使用せずに作られています。宮大工のノウハウや経験が活きた作りになっているんです」と栗生さん。
こうして唯一無二、横浜燻製工房にしかない燻箱が完成。何事にも実直に、真剣に向き合い続けることで、次第においしいと思える燻製が作れるようになっていきました。
転機
実はIT関連会社の社長を勤めていた栗生さん。趣味で始めた燻製がおいしく作れるようになり、取引先へ配ってみると「おいしい!売った方がいいんじゃない!」と大絶賛!
そんな矢先にリーマンショックが…!窮地に立たされた栗生さんは「燻製作りを事業化しよう」と大きな決断をします。
「IT屋は新しい技術を開発したら、それを出展して動向を見るんです。だから、燻製も手始めにコンテストに出してみた。そうしたら、なんと初参加した『グルメ&ダイニングショー』で準大賞を受賞しましてね、うれしかったですね!食のプロに認めてもらえたわけですから!」
それを機に著名なバーや大手ホテル・百貨店のバイヤー、酒蔵さんから引き合いが増えました。また、その道のプロが集まる催事に参加し、そこで出会った人との縁を大切にしながら、新たな燻製作りにもチャレンジしていきました」と栗生さん。
栗生さんとの会話のなかでも特に印象に残ったのが、新規参入が難しいと言われるウィスキー業界のお話。参入には苦労もあったそうですが、今ではウィスキーの樽材を燻製チップに…と譲り受けるほどの仲。
新規参入が叶った理由―それは、本物を目指し続ける者同士だからこそ通じる「説得力」。業界は違えど、ものづくりの神髄や本質は変わらない。
「栗生さんなら間違いない」そんな確信と信頼を、確かな品質に、実直なものづくりに、そしてお人柄に見たからではないか、そう感じました。
「横浜燻製工房なら、より良いものづくりができる」そんな信頼が職人の心を動かしたのだと率直に感じます。こうして、さまざまな業界の匠と縁を紡ぎ、至高の燻製作りを実現してきました。
心を駆り立てるもの
究極の燻製を目指す栗生さん。これほどまでに栗生さんの心を駆り立てるものとは一体何なのか、お話を聞くことができました。
「燻製は、多種多様なものや人とコラボできるところが面白い。可能性は無限大だし、飽きることがないんです」と栗生さん。
「先日手掛けたカツオの燻製も、実はカツオそのままではおいしく仕上がらなかった。でも、角煮にしたものを燻製にしたらどうかと思い立ってね。これが大成功!」そう楽しそうに話す姿からも「これだから燻製は面白いし、止められない」そんな声が聞こえてきそうでした。
取材を通して見えてきたのは、「Try & Errorを繰り返すことが、ものづくりを、人生を面白くする」ということ。
学びや挑戦に終わりはない、探求心があれば、どこまででも可能性を高め、広げていくことができるーそんなことを教わりました。
「燻製作りを支えてくれたのは、やっぱりお客さんからいただく『おいしい』という言葉ですね。
お客さんが試食で感動して泣いてくれたり、わざわざ名古屋から買いに来る根っからのファンがいたり、1回に10万円近く購入してくださる方がいたり…。そういう瞬間に出会うと、もっとおいしいものを作りたい!手は抜けない!って思うんです」と栗生さん。
「手に取る人を喜ばせたい」そう思い、できる限りの手を尽くす。その純度の高さが、「語らずとも伝わる、こだわりとおいしさ」を生み出しているのだと感じます。
そして、枠にとらわれない、新たな発見と楽しさを提供し続けてくれる。それが、横浜燻製工房のすごさであり、お客さんがリピーターになる理由だと感じます。
最後に初来店の方に一言お願いすると
「『大多数』ではなく、『あなた』に刺さるつまみを作っていきたい。あなたのひと時を充実したものにしたいーそう想いながら燻製を作っています。気の向くまま、食べてみたいと思う燻製を選んで、『いちいちおいしい』を体感していただけたらと思っています」と笑顔でお話ししてくださいました。
横浜燻製工房は燻製の概念が変わるお店。「こんな味わいが!こんな楽しみ方があるのか」そんな発見と感動、唯一無二のおいしさを提供してくれるお店です。
お気に入りのお酒と横浜燻製工房の燻製がそろえば、もう言うことなし!自分を含めた大切な方へ、心華やぐ「ご褒美時間」をお約束します。
横浜燻製工房
住所:神奈川県横浜市神奈川区栄町13-1 1F
アクセス:
京浜急行線「神奈川駅」から徒歩約7分
JR、東急東横線、横浜市営地下鉄ブルーライン、相鉄線「横浜駅」から徒歩約15分
営業時間:
10:00-20:00
定休日:不定休
※来店時はあらかじめ電話にて営業日を確認することをお勧めします
電話番号:045-440-3981
公式HP:http://yokokun.jp/
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。