映画やドラマの撮影に使われることも多い「横浜市大倉山記念館」。
この建物テレビで見たことある!という方も多いのではないでしょうか。
「大倉山記念館」では、毎年この時期に「オープンデイ」というイベントが開かれ、地元住民の方を中心ににぎわいます。
本日は、館内の自由見学のほか各種コンサートや館内ツアーも見どころの「大倉山記念館オープンデイ」に参加した様子をご紹介します!
(2022年9月11日開催)
高台の豪華な建物
東急東横線「大倉山駅」を出て、記念館坂をのぼっていきます。
ちょっと息切れしてきたかな……と思ったあたりで、「大倉山記念館」への目印を見つけました。
そして、階段をのぼった先に現れる、まるで海外の宮殿のような建物が「大倉山記念館」です。
大倉山記念館ってどんなところ?
「大倉山記念館」は、横浜市民の公共施設です。
館内にはホールや集会室、ギャラリーがあり、演奏会や集会、絵画などの作品展示の場として利用することができます。
「大倉山記念館」は西洋と東洋のミックスされた印象的な建築物ゆえ、映画やテレビの撮影に使われることも多いとか。
数多くの有名女優さん、有名俳優さんが撮影に訪れているそうですよ……!
アルパ演奏の軽やかな音色がお出迎え
さて、オープンデイのご紹介に進みましょう。
正面入口の目の前に荘厳な階段が現れました。
階段の上からは、オープニングコンサートのアルパ演奏が聴こえてきます。
アルパとは南米パラグアイの民族楽器で、一般的なハープを少し小さくしたような見た目をしています。
アルパの特徴は、ピアノでいうところの白鍵しか無いことで、黒鍵部分の半音を出すには指に付けた金属のアイテムを使って演奏するそうです。
音色とともに、その楽器の作りも奥深さを秘めています。
いざ館内ツアーへ!
横浜市民の利用施設である「大倉山記念館」ですが、普段は館内を自由に見られるわけではありません。
毎年のオープンデイこそ、1階から屋上まで「大倉山記念館」全体を見学できるチャンスです!
館内を歩いていたところ「これから館内ツアーがありますよ」とボランティアガイドの方に声をかけていただき、参加させていただくことにしました。
ガイドの方から教えていただいた「大倉山記念館」の見どころを、いくつかピックアップしてご紹介します!
特徴的なデザイン
「大倉山記念館」は、外観から館内の隅々にわたって、特徴的なデザインの装飾が目にとまります。
これは、「大倉山記念館」を設計した長野宇平治さんが名づけた「プレ・ヘレニック様式」というのだそうです。
プレ・ヘレニック様式の特徴はこちらの5つ。
①裾ぼそりの柱(下の方が上の部分よりも細くなっている柱)
②円盤列
③三角型空間
④ロゼット(ドアのお花模様)
⑤山形と螺旋の模様
趣のあるホールや集会室
エントランスホールから中央の階段をのぼった中3階正面にあるのが殿堂ホールです。
オープンデイ当日はアルパのコンサート会場となっていました。
天井に至るまで趣向の凝らされた作りです。
中2階にはギャラリーがあります。過去の展示内容が紹介されていました。
また、館内には全部で10個の集会室があります。それぞれ趣が異なり、撮影に使われることもあるそうです。
真実の心を伝える16体の彫刻
エントランスホールから頭上を見ると、吹き抜けの先に鷲と獅子の16体の彫刻が飾られていました。
それぞれ違う方向を向いていますが、エントランスホールから見上げると、必ずどれか一つと目が合うそうです。
(確かに、目が合ったような気がしました……)
神の使いとされている鷲と獅子の彫刻は、真実の像と呼ばれています。
「神や仏はどこにいても必ず人間を見ています。神仏の目からは逃れられないので、常に真実の心を持ちましょう」という教えがあるそうです。
テレビドラマの撮影場所をちらっとご紹介!
教えていただいたテレビドラマの撮影場所をちらっとご紹介。
こちらのベンチは、数年前のNHK朝ドラの撮影で使われました。
右側の「大倉山記念館」と書かれた建物部分は、警察署の入口とされたそうです。
そして、こちらは「大倉山記念館」正面入口です。
そこには大きく「裁判所」の文字が!
こちらのプレートはドラマ撮影のために作られ、そのまま「大倉山記念館」にプレゼントされたそうです。
あれ、最近見たことがある気がするな……?と、お気づきになった方もいるのではないでしょうか。
大倉山記念館の歴史
横浜市指定有形文化財にも指定されている「大倉山記念館」の歴史について少しご紹介します。
「大倉山記念館」は、大倉邦彦さんという実業家によって昭和7年に建てられました。
東洋大学の学長も務められた大倉さんが、「大倉精神文化研究所」として人材育成のための活動をされたのが始まりです。
また、大倉さんは大倉書店として本の出版にも関わっていました。
かの有名な夏目漱石の「吾輩ハ猫デアル」も、実は大倉書店から出版されているのですよ!
「大倉山」という地名も大倉邦彦さんが由来
ちょっと気になって調べてみたところ、この地域が「大倉山」という地名になったのは「大倉精神文化研究所」の創設に伴って「大倉山」と呼ばれるようになったのがきっかけだそうです。
大倉山エリアにとって、「大倉山記念館」はとてもゆかりのある場所なのですね。
館内利用やロケ地巡りに、ぜひ「大倉山記念館」を訪れてみてはいかがでしょうか。
横浜市大倉山記念館
住所:神奈川県横浜市港北区大倉山2-10-1
アクセス:東急東横線「大倉山駅」から徒歩7分
開館時間:9:00-22:00(利用申込受付時間は9:00-21:00)
電話番号:045-544-1881