鶴見川と防災について楽しく学ぼう!小机「地域防災施設 鶴見川流域センター」

横浜市内には多くの川が流れています。横浜市を横断するように流れている「鶴見川」もその一つです。

そんな鶴見川に住んでいるお魚を観察でき、さらに、人と川が共存するために大切な防災について楽しく学べる場所が港北区にあります。

それが、本日ご紹介する「地域防災施設 鶴見川流域センター」です!

高くそびえる鉄塔が目印

「小机駅」から徒歩約6~7分、のぼり坂の先に見えてきた建物が「鶴見川流域センター」です。

なにやら背の高い鉄塔が気になりますね……。それは後ほどご紹介します!

さて、坂道をのぼって「鶴見川流域センター」に到着です。

入場無料、駐車場無料で利用できます。

子ども連れの方や、ウォーキングやサイクリング途中に立ち寄る方もいらっしゃるとのことです。

「鶴見川流域センター」ってどんなところ?

「鶴見川流域センター」は、鶴見川に住むお魚を観察したり、展示や上映されるビデオを見たりして、鶴見川と防災について楽しく学ぶことができる場所です。

まずは、入口正面のパッと目を引く大きなパネルからご紹介!

鶴見川流域の高低差を示した地図です。

白く囲われた部分が鶴見川流域になります。

「鶴見川流域は動物のバクのかたちに似ている」ということで、入口では大きなバクさんがお出迎え。

続いて、フロア中央の足元に大きく広がっているのは、鶴見川流域の衛星写真です。

鶴見川はどう流れているのかな?自宅はどこかな?

探しながら、思わず見入ってしまいます。

鶴見川流域水族館コーナー

こちらは涼しげな水槽の並ぶ一角、鶴見川流域水族館です。

水槽の中では、鶴見川に住むお魚たちが泳いでいます。

子どもたちが近くで見やすいように、水槽はどれも低い場所に置かれています。

「えっ?うなぎもいるの?」と驚くのは大人の方が多いとか。
(私も驚きました)

洪水から地域を守る鶴見川多目的遊水地

センター内の展示では、洪水の歴史や遊水地の仕組みなどを知ることができます。

ここで一つ、センターの方から教えていただいたお話を。

今もなお記憶に新しい、2019年ラグビーワールドカップ日本開催。

日本の決勝トーナメント進出がかかった日本VSスコットランド戦が、「鶴見川流域センター」のすぐそばにある日産スタジアムで予定されていました。

ところが、試合開催日の直前に台風19号が関東を直撃!

台風の影響で増えた鶴見川の水が流れ込み、日産スタジアム周辺が水没してしまったのです。

試合中止が危ぶまれた中、なんと無事に試合は開催!

日本はめでたく4連勝、そして決勝トーナメント進出を果たしたのでした。

会場周辺が水没したにも関わらず、なぜ無事に試合を開催することができたのでしょうか?

そこには、「鶴見川多目的遊水地」の存在がありました。

「鶴見川流域センター」の目の前に広がる「新横浜公園」は、遊水地の上に作られている多目的遊水地です。

台風などで増水した鶴見川の水を公園内に流れ込ませることで、周辺地域に水があふれるのを防ぎ、洪水被害から守る仕組みです。

ラグビーワールドカップの会場となった日産スタジアムは新横浜公園内にあり、足高に設計されています。

公園内に水が入ってきた時には、スタジアムの下に水が流れ込むので、スタジアム内部は洪水被害から守られるというわけです。

泥水に水没した公園の様子を見ると驚いてしまう方も多いかと思いますが、センターの方の言葉をお借りするならば

「公園に水が入ってくるのではなく、水が入ってくる所に公園を作ったのですよ」

ということ。

なるほど、納得しました!

高くそびえる白い鉄塔の正体とは

センターの隣に高くそびえる、鉄塔の正体は何かと言いますと。

実は、生活に身近な雨雲レーダーの情報源なのです!

鉄塔のてっぺんにある球体の中には「XRAIN(エックスレイン)」と呼ばれるレーダーアンテナが入っています。

レーダーが雨雲の様子をリアルタイムで追跡し、雨雲レーダーとして発信しているのです。

「日頃から雨雲レーダーを使い慣れておくことで、いざという時に安全に行動できますよ」と、センターの方からも教えていただきました。

涼しそうに泳ぐお魚たちを観察しながら、鶴見川や防災について楽しく学べる「鶴見川流域センター」。

みなさまも、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

地域防災施設 鶴見川流域センター
住所:神奈川県横浜市港北区小机町2081
(京浜河川事務所遊水地管理センター1F・2F)
アクセス: JR横浜線「小机駅」から徒歩約6~7分
営業時間:月・水・木・金・土・日曜日  10:00-17:00
電話番号:045-475-1998
定休日:火曜日

※入館料は無料です。

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。