横浜だけでなく三浦半島、そして東京・品川へ。通勤・通学だけでなく、観光電車としても君臨する京急電鉄。
ふたり組ロックバンド「くるり」の曲にもある、シンボルの赤い電車。横浜市民だけでなく、神奈川県民なら一度は乗ったことがあるのではないでしょうか。
そんな京急電鉄の魅力に見て触れられる体験型ミュージアムが、横浜の本社ビルにあります。
今回は、京急電鉄本社ビルにある京急ミュージアムを紹介していきます!
鉄道ファンでなくても楽しめる
横浜駅東口から徒歩7分。京急電鉄の本社ビルの1階に、京急ミュージアムはあります。一部のコンテンツは有料ですが、入館料は無料。現在はHPから事前予約をした方が、入場可能となっています。
1日3回の入れ替え制を取っており、時間は次の通り。
- 10:00 ~ 11:00 (退館 11:30)
- 12:30 ~ 13:00 (退館 14:00)
- 15:00 ~ 16:00 (退館 16:30)
京急電鉄の本社ビルの前を通ったことがある方は、大きな窓から赤い電車が展示されているのを見た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
中に入るとレトロな赤い電車が、出迎えてくれます。
昭和感漂うホームも、この車両が走っていたころの駅のイメージと合わせているのがわかります。
メイン展示でもある車両は「デハ236号」。1929年に製造され、1978年まで長きに渡って活躍した車両です。
京急ミュージアムに来る前の写真がこちら。
車両自体の傷みが激しいですね。
この車両は約2年かけて修復されたそう。京急電鉄のOBや製造員、京急グループの社員のさまざまな方の力を結束。きれいに修復され、ミュージアムのメイン展示となっています。
中は1970年代に走っていた頃の車内を再現。この当時の京急線は窓が大きく作られています。通勤電車としての役割だけでなく、逗子や横須賀、三浦方面への観光電車としての役目もあったので、風景を楽しんで欲しいとの思いがこめられていたそう。
車両の後ろ部分は資料展示コーナーになっています。一般の方からの寄贈も多く、展示品は年に1回程度変えているとのことです。
京急電鉄の歴史と共に、現在は切符や路線図、会社案内などが見られます。
昭和14年頃の地図。三浦半島の観光地図でもありますが、軍事的拠点ともなっていた横須賀や浦賀については詳しいことは描かれていません。戦時下であることが地図からも伺えますね。
「本物」を見て触れて楽しむがコンセプトの京急ミュージアム。この展示車両の電車の上のパンタグラフと画線もすべて本物で、電力区も京急電鉄のものを使用。
パンタグラフとは:電車や電気機関車の屋根にとりつけて架線の電流を導き入れる装置
Oxford Languages
線路に敷かれている砂利も、実際に京急線で使われている砂利を使っているそうです。
「電車もパンタグラフも本物。砂利も新しいものやフェイクでは伝わらないということで、線路にある現役の砂利を持ってきました。」と、京急電鉄の担当者さんが解説してくださいました。
展示されている電車も確かに今にも動きそうな感じです。「本物」への強いこだわりを
感じずにいられないですね。
鉄道、バス、そして街を作ってきた京急グループ
京急電鉄の始まりは、川崎と川崎大師を結ぶ大師電気鉄道。開通は1899年1月21日のことでした。
京急ミュージアムがオープンしたのが2020年1月21日。さらなる飛躍を目指し、大師電気鉄道の開通日と合わせたのだそうです。
1899年というと明治時代。創業時の大師電気鉄道の営業路線は2kmほどでしたが、後に川崎から横浜、横浜から三浦半島方面、川崎から品川方面と沿線を増やしていきます。
ミュージアムの中央部にあるジオラマは、品川から三浦半島まで京急電鉄が走るエリアを紹介。電車だけなくバスやタクシー、街づくりにも関わってきた京急グループのお仕事が、一目で見てわかる仕組みになっています。
細部までこだわったジオラマには電車の運転席もあります。1回100円(税込)で3分間、模型の電車を走らせることが可能。
引退した車両800形の運転席に座り、模型の先頭車両に搭載されたカメラで、ちょっとした運転士気分も味わえますよ。
モニターに映し出されるリアルで鮮明な画像から、京急線が走るジオラマの街の様子を運転士目線で楽しめます。
プラレールでオリジナルの車両を作る体験型コーナー・マイ車両工場エリア。
スタッフさんから京急電鉄の車両についての講義を受けた後、シールにイラストを描いて鉄道玩具のプラレールの車両に貼り付けます。
お持ち帰り用の箱。このパッケージは鉄道ファンでなくても、そそられますね。お子さん向きのプログラムですが、このパッケージ欲しさに私もやってみたくなりました。
マイ車両工場で作ったプラレールは、プラレールの販売元でもあるタカラトミー社とコラボ制作されたものなので、自宅にプラレールがあれば、接続して走らせることが可能とのことです。こちらのコンテンツの料金は、1回1,000円(税込)。
自分でデザインした車両が走るなんて、楽しいですよね。
シミュレーターが大人気
京急といえば、電車だけでなくバスもありますよね。バスネットワーク・コーナーでは、バスの運転席を再現しています。運転席に座って写真撮影も可能。
運転席に座ると車内アナウンスも流せます。ボタンを押したら「野比中前」を案内されました。京急バスが走っている路線の停車案内が、ランダムに流れる仕組みになっているとのこと。京急バスの沿線にお住まいの方は、普段乗っている路線の案内が流れるかもしれません。
降車ブザーもこんな風に並んでいると楽しいですね。ボタンを見るとつい押したくなります。
一番人気の鉄道シミュレーション・コーナー。頭上にある掲示板も実際に駅で使われているものと同じものです。横浜駅に流れている情報が、そのままリアルタイムで流れているそうです。徹底的に「本物」こだわっていますね。
鉄道シミュレーションのコースは次の通り。
- 入門コース
- 初級コース
- 中級コース
- 上級コース
せっかくなので、私も運転させてもらいました。初級コース・エアポート急行の立会川駅から京急蒲田駅間を運転。
計器がいっぱいの運転席。ハンドルはレバー式で、押したり引いたりして加速やブレーキをかけます。発車からすぐに100㎞まで加速指示が出ました。京急は早いなぁと感じていましたが、数字で見ると思っていたよりスピードが出ていることが、わかりました。
運転士さんは5段階の加速、7段階のブレーキを使い分けています。停車位置もはみ出さないよう、こちらの予想以上に細心の注意を払っているんですね。レバーで車両をコントロールするので、もう少しかんたんかなと思いましたが、私には車の運転よりも複雑に感じました。
映像も先頭車両にカメラを付けて撮影したものとあって、よりリアル。これは鉄道ファンのみならず、ファンでなくても楽しめるおすすめのシミュレーターです。
現在コロナウィルス感染症対策を取っているため、館内にいられるのは最長1時間30分程度ですが、充分楽しめました。3回目の15時からが比較的余裕を持って観られる時間帯とのこと。
外に出ると、京急電鉄の電車をモチーフにしたイスが円陣を組んでいます。
ハッピーイエローやブルースカイトレインもある!
かわいくデフォルメされたイスに座るのはちょっともったいない感じもしますが、
外に出ても楽しめる京急ミュージアム。
事前予約は必要ですが、週末にファミリーで、カップルで、お友だち同士でぜひ訪れて、「本物」を体感してみてくださいね。
京急ミュージアム
住所:神奈川県横浜市西区高島1-2-8 京急グループ本社1階
アクセス:京急線 横浜駅から徒歩約7分
JR湘南新宿ライン・横須賀線・根岸線・京浜東北線 「横浜駅」徒歩約7分
みなとみらい線「横浜駅」出口徒歩7分
みなとみらい線「新高島」駅出口徒歩3分
TEL: 045-225-9696
営業時間:10:00~16:30
定休日:毎週火曜(火曜が祝日の場合は翌日)
年末年始および臨時休館日
※臨時休館日はHPの「京急ミュージアム館内状況」をご確認ください。
入館料:無料 ※一部体験コンテンツは有料
※新型コロナウィルス感染拡大等により営業時間等が記載と異なる場合があります。訪問時は事前にHP等でご確認ください。