日本大通り駅より 歴史感じる老舗「かをり」で味わうひととき

横浜を代表するお菓子、「かをり」をご存知でしょうか。百貨店等で見かけたことがある方も多いかと思いますが、本店は異国情緒漂うエリアにあり、街歩きの途中に立ち寄ればこの町の歴史とお店の歴史を感じられる場所です。

味わい深いレーズンサンドに始まり、桜や虹をイメージした華やかなゼリーなど、個性豊かなラインナップも魅力。幅広いラインナップのお菓子を通して、普段気づかなかった町の一面に触れられるかもしれません。

異国情緒漂う街角に息づく洋菓子の名店

日本大通り駅界隈を散歩していると、ふと目に留まる蔦の絡まる建物。オレンジの看板に書かれた文字を見ると「あ!」となる方も多いのではないでしょうか。こちらが、あの有名な横浜菓子「かをり」の本店です。

ちなみにこのあたりはさまざまな洋風の建物が残る、歴史の詰まったエリアですが、実はこの地「ホテル発祥の地」なんです。当時はオランダ人が経営する外国人向けホテルがあったようで、店の前には記念碑があり、外国文化が根強い地域であることをうかがうことができます。

店内には老舗の風格が漂い、「レーズンサンド」などの代表商品が並んでいます。百貨店で見かけたことがある方も多いかもしれませんが、店内のショーケースにはレーズンサンドのほか、マロングラッセ、ブランデーケーキ、桜ゼリー、宝石ゼリー、サブレ、とさまざまな商品がずらりと並んでいます。

この日はなんと、お店の方のご厚意で板倉社長と電話をつないでいただくことができ、現在取り扱っているこれらのお菓子はご自身の代から始めた、と伺うことができました。過去には国際会談などでも提供されたことがあるようで、各国のみなさまにも「おいしい」と好評をいただき、たいへん喜ばれたそうです。

目にも美しい和洋折衷の味わい

恥ずかしながら私はレーズンサンド以外のお菓子についてほとんど知りませんでしたが、ぜひ食べていただきたい逸品が「桜ゼリー」で、これはお店の屋号(「かをり」はお父様の好きな、国文学者 本居宣長の和歌から名付けた)に由来する商品だそうです。

蓋をあけると八重桜の蜜漬けが入っており、一口食べると「和」の繊細さが感じられます。まさに和洋の美しい融合という印象で、煎茶やほうじ茶に合いそうな味は日本人にとっては「ほっとする味」、外国人にとっては「日本らしさを味わえる逸品」と感じました。

さらに、「宝石ゼリー」と呼ばれるカラフルなゼリーは、まさに見た目も味も楽しめる逸品です。板倉社長が那智の滝で見た虹からインスピレーションを得たというこのゼリーは、商品名のごとく宝石箱のような華やかさを持っています。甘すぎず歯応えがよく、子どもから大人まで楽しめるお菓子の印象で、贈り物にもぴったりです。

多彩な洋菓子と共に味わう町の物語

「かをり」の魅力はやはりバリエーション豊かな商品ラインナップではないでしょうか。サブレは3種類(ロゴ、舵輪の形、舟)あり、それぞれ少しずつ風味が異なります。私は紅茶といただいてみましたが、味わいのある満足な一枚で、間違いないペアリングでほっこりした時間を過ごせました。他にもブランデーケーキや贅沢なマロングラッセなど、つい見入ってどれにしようか迷ってしまいそうです。

お店の方から板倉社長が執筆された小冊子をいただきました。これにはおじいさま、お父様のお話や、「かをり」が元々レストランから始まった歴史、なぜ洋菓子店へと展開していったのかが綴られており、読むうちにお店がこの地と共に歩んできた物語が伝わってきます。この街と「かをり」が紡いできた時間をお菓子と共に味わうひとときは、なんだか特別な時間のように感じられました。

日本大通り駅からのアクセスも良く、街歩きの合間に立ち寄るにも絶好のロケーションです。蔦の絡まる趣ある本店と豊富な種類のお菓子。本店ならではの歴史を感じながら、「かをり」のお菓子をぜひお楽しみください!

横浜かをり 山下町本店
住所:神奈川県横浜市中区山下町70番地
アクセス:みなとみらい線「日本大通り駅」徒歩約3分、JR京浜東北線「関内駅」徒歩約10分
TEL:045-681-4401
営業時間:10:00ー19:00(平日)、11:00ー19:00(土日祝)
定休日:なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。
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ちーう
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浜沿い、関内、中華街界隈をぶらりとすることが好きです。とくに新しいアイデアを得たい時や考えを整理したい時、朝散歩がマイルールです。