戸塚で100年以上!地域で愛される老舗の和菓子屋さん「吉田屋本店」

東海道五十三次5番目の宿場町であった戸塚の街には、歴史のある和菓子屋さんが数多くあります。その中でも1番と言っていいほど古くからある1914年(大正3年)創業の吉田屋本店さんをご紹介します。

和モダンな戸塚の和菓子屋さん

戸塚駅から国道沿いに歩くこと約7分、モダンな品のあるお店が見えてきました。個人的に和モダンなテイストが好きなので外観からワクワクしちゃいます。

店内に入ると、きれいに磨かれたガラスケースにたくさんの種類のお菓子が並んでいます
。お団子に桜もち、最中(もなか)などいろいろあって、どの和菓子にしようか迷ってしまうほどです。

約100年戸塚の街を見てきた中で生まれたお菓子

おすすめをお聞きしたら、「ワンマン道最中」というちょっと面白いネーミングの最中とのこと。お話を伺うとその名前に納得のストーリーがありました。

かつて戸塚には開かずの踏切と呼ばれた大踏切があり、ひどい渋滞を解消するために当時の首相、吉田茂氏が鶴の一声で戸塚バイパスを建設したんだそう。吉田茂氏は「ワンマン宰相」と呼ばれていたこともあり、戸塚バイパスは「ワンマン道路」とも呼ばれていたんだそうです。
しかし結果的に戸塚バイパスの完成によって、大渋滞は解消。その功績を後世に伝えるために作られたのが、このワンマン道最中です。見た目も道路にちなんでタイヤの形をしています。かわいらしく、職人さんの遊び心が感じられますよね。

戸塚でしか食べられない”お菓子なとつかとうふ”

お菓子なとつかとうふ。これまた少し変わった名前のお菓子です。
こちらの”お菓子なとつかとうふ”は、街紹介で有名な某テレビ番組でベスト10に入ったり、おいしいものとつかブランドにも認定されたお菓子だそうです!どんな味なのでしょう?豆腐なの?お菓子なの?気になりすぎます。

ゆず餡とごま餡の2種類を購入し、さっそく家に帰って食べてみました。

黄身は使わず卵白と豆乳で作られた生地はしっとりふわっとしていて、サンドイッチのパンを少し軽くしたような食感です。その生地の間にゆずとごまの餡が挟まれています。

ごま餡は、コクのあるごまペーストと少しの塩味も感じられて飽きのこないおいしさです。
ゆず餡は、さわやかな柑橘の風味が広がり、お口直しにも良さそうです。甘いものが苦手な方にもおいしく食べられそうな味でした。

常連さんに愛されるお団子

ここまで吉田屋本店さん独自のお菓子をご紹介してきましたが、常連さんに愛されている定番のお団子たちもご紹介させて下さい。

まずは、あん団子。肝心かなめのあんこは、毎日自社工場で小豆から煮て丁寧に濾したものだそうです。ベースとなるお団子もお米の甘味が感じられて、あんことの相性バツグンです。今の若い方にも好まれるように甘さは控えめにしているようです。

便利な機械がない時代には、ご主人・女将さん・職人さん総出で小豆を煮ていたそう。大鍋をかき混ぜながらの作業だったので、利き腕だけ太くなってしまった、なんてエピソードもありますよ。

そして、みたらし団子。我が家はみたらし団子に目がありません。そのためこれまでいろいろなみたらし団子を食べてきましたが、吉田屋さんのみたらし団子を一口食べたら、ビックリ。ちゃんとおこげの香ばしさが残っているではありませんか!

他のお店でも焦げ目がついているものはあるのですが、焦げ目の香ばしさまで出せているお店は、そうありません。そのおこげの香ばしさと甘じょっぱいタレが絡んで、本当においしい!みたらし団子好きの方は、ぜひ食べてみてくださいね。

地元に長く愛されるお店

どこか品があって物静かながらも丁寧にお話しくださった女将さんに、ここまで長くお店を続けてこられた秘訣は何ですか?とお尋ねしたら、「地元に密着していたからでしょうね」とおっしゃられました。

吉田屋本店では、近隣の小学校や区役所の節目節目に長年お菓子を作られてきたそう。しかし、今では行事に合わせて和菓子を食べる風習も減ってきているといいます。

そんな中でも時代の変化を受け入れ、新しいお菓子を開発したり、味を少しずつ変えたりしているからこそ、長く愛されているのだなと感じました。

そんな戸塚の歴史を感じられるお菓子を、みなさんもぜひ試してみてくださいね。

吉田屋本店
住所:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町3960
アクセス:JR東海道本線、横須賀線、湘南新宿ライン、横浜市営地下鉄ブルーライン「戸塚駅」より徒歩約7分
電話番号:045-881-0138
営業時間:9:00-17:00
定休日:火曜日
駐車場:あり(4台)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。