横浜スタジアムからもほど近い、飲食店が多く立ち並ぶ通りに、幾何学模様のような壁のアートが一際目を引く「yukartの森」。
飲食店ではあまり聞かない少し変わった名前のお店ですが、ランチで提供される「湘南無限カレー」がおいしいと評判です。
今回は、お重に詰まったちょっと豪華なカレー・ランチが楽しめる「yukartの森」を紹介していきます!
ユニークな名前、「yukartの森」とは?
関内の相生町通りは、バーや多国籍の料理が楽しめるお店が多く並ぶ通り。「yukartの森」は、2021年2月、生バンドの演奏でカラオケができるお店「SING Yokohama」として相生町通りにオープン。
その後、コロナ禍を経て、お店の名前を「SING Yokohama」から「yukartの森」へ変更。2024年1月にランチタイム営業をスタートしました。
オーナーで代表でもある藤野さんは、日本の音楽業界で長く活躍されてきた凄腕プロデューサー。横浜から数多くのアーティストを世に送り出してきたそうです。現在も横浜のみならず、各地で開催される音楽やアートのイベントをプロデュースされています。
藤野さんには、音楽だけでなく、絵やアート部門でも活躍する若手を応援したいとの思いがありました。お店の名前である「yukartの森」は、藤野さんがプッシュしているアーティスト、「yukart」さんとのコラボレーションから生まれたそうです。
お店の看板の文字や、外の壁はyukartさんが手掛けたとのこと。お店のなかにもyukartさんの作品が随所に飾られており、飲食店の雰囲気もありながらギャラリーのような風情もあるお店となっています。
ドアを開ければ、アートな空間
ガラス張りのドアを開けると、奥に向かってテーブルやカウンターがあります。
座席数は全部で24席、うちカウンター席が8席。ナチュラルなウッドのテーブルやイスが置かれ、広々とした店内です。
お店の白い壁やモニターにデジタルで写しだされるyukartさんの作品が、浮かんでは消えていきます。
トイレでは、プロジェクション・マッピングのようなアートが楽しめるようになっています。初めて入った方は、思わず歓声をあげる驚きのトイレとなっているので、気になる方はぜひ確かめに行ってみてください。
yukartさんの作品はデジタルだけでなく、キャンバスに描かれたものもあります。実際に観てみると色彩の美しさやかわいらしさを感じます。絵画やアート作品がすきな方は、yukartさんの絵を眺めながら、ランチを楽しめますよ。
当初はyukartさんの原画を多くディスプレイしたかったそうですが、ランチタイムにカレーを提供することになり、絵に香りがつかないよう、デジタルを多めにしたそうです。こういった点に配慮されていることからも、代表・藤野さんのアートに関する思いや造詣の深さが感じられます。
「yukartの森」は、ギャラリーのようにアートが触れられる場所で、ランチもいただけるめずらしいタイプのお店です。
一生に一度は食べてほしい!「湘南無限カレー」
「yukartの森」のランチタイムのメニューは、2種類。
- 焼き野菜のいろどり玉手箱
- プレーン玉手箱
どちらにも、おかわり自由のフルーツや野菜が入ったデトックスウォーターがついてきます。
ランチのメニューはどちらもおすすめですが、「焼き野菜のいろどり玉手箱」が人気とのことでしたので、今回は「焼き野菜のいろどり玉手箱」をオーダー。メニューには、おすすめの食べ方が解説されています。
代表の藤野さんにお話をうかがったところ、カレーにジャムを合わせて食べると、味わいが変わるのだそう。ジャムといっしょに食べるカレーとはどんなカレーなのか、楽しみです。
運ばれてきたのは、三段の重箱。重箱に入ったカレーは見たこともなく、食べたこともないので、見た目のインパクトに驚きました。メニューには書いてありますが、実際見るとなかなかの迫力。
あけてみると、重箱の一段目にはデザートのもなかとあんこ、二段目には、3種類のジャムとフルーツ、三段目に焼き野菜がのった「湘南無限カレー」が入っています。
「湘南無限カレー」は、湘南に住まれていたとある有名人のご子息が作っていたカレーのレシピだそう。そのカレーを食べた藤野さんや仲間たちの間で評判となり、「yukartの森」のメニューとして提供することになったとのことです。
お重の三段目からはカレーのスパイシーな香りがします。藤野さんが強くおっしゃっていた「一生に一度は食べてほしいカレー」を早速食べてみました。
「湘南無限カレー」を一口食べてみると、甘さを感じたあとに辛さが残ります。ピリっとした辛さが後を引く、クセになる味。
ブロッコリー、カリフラワー、ナス、かぼちゃ、ラディッシュなどの焼き野菜にカレーをディップすると野菜のうまみを引き出します。
ごはんは五穀米。カレーの甘辛さがよくなじみます。濃厚なルーにホロホロのチキンがたまりません! さらに、ジャムを混ぜてみました。この日のジャムは、黄桃、トマト、いちじくのジャム。
ジャムは時期によって変わるとのこと。なんとこちらのジャム、スタッフさんの手作りだそうです。ジャム単体で食べてもおいしいですよ。
黄桃のジャムを混ぜると甘さが広がり、トマトのジャムを混ぜると甘さと塩味が、いちじくのジャムは甘さとちょっとした酸味を引き出します。甘さのあとにピリっとした辛さが残る、なんとも不思議な、これまでに食べたことのないカレーでした。
重箱はそれほど大きくないと思っていたのですが、なかなかのボリューム。「湘南無限カレー」だけでも、結構おなかいっぱいになりました。
デザートのもなかは、小皿に盛られたあんを付属のもなかに自分でのせて食べるスタイル。あんこにちょっとだけジャムやフルーツをのせるのがおすすめだそう。
この日のあんは、つぶあんと紫いもあん。つぶあんは定番で変わりませんが、紫いもあんは、時期によって変わるとのことです。
つぶあんのもなかには、黄桃のジャムと黄桃をのせて食べてみました。つぶあんの濃厚な甘さにジャムとフルーツのさわやかな甘さが合わさって、より深い味わいに。甘いのなかに複雑な味のハーモニーが広がります。
続いて、紫いもあん。
紫いもあんは、つぶあんと比較すると甘さがおさえられていて、紫いも本来の味が感じられます。いちじくのジャムといちごをトッピングすると、甘さが増して、ちょっとした酸味も感じました。素材の味を活かしたやさしい味で、食が進みます!
「湘南無限カレー」、デザートのもなかにジャムやフルーツをトッピングすることで、味わいが変わる、名前の通りの玉手箱のようなランチ。yukartさんのアートを鑑賞しながら、ランチをいただける点もおすすめですよ。
さまざまなアーティストとコラボしていきたい
ランチタイムを始めるにあたり、メニューはかなり検討されたと語る代表の藤野さん。
甘辛いカレーに合うトッピングを探し、ジャムにたどり着くまでにさまざまな試行錯誤をされたそう。
また重箱で提供したいと思ったのはいいけれど、「湘南無限カレー」を盛り付ける重箱探しにも苦労されたとのことでした。
「形は四角がよいけれど、うな重用の重箱ではダメで。角に丸みがある重箱が理想だったのですが、なかなか見つかりませんでした。カレーなので、角が四角いと食べにくい。木製の重箱では、においやカレーの跡がついてしまう。衛生面でも不安があるので、漆の重箱である必要がありました」
「湘南無限カレー」に始まり、デザートのもなか、提供する重箱に至るまで、すべてお店のスタッフさんとyukartさん、藤野さんで意見を擦り合わせていったとのこと。
yukartさんの絵があることで、長くいてもくつろげる空間になったことがうれしいとお話ししてくださいました。
今後の展望について、うかがってみました。
「技術的にちょっとむずかしいのですが、yukartさんのイラスト入りの重箱で提供できたらいいなと思っています。yukartさんだけでなく、さまざまなアーティストさんとも積極的にコラボしていきたいですね。また、9月頃には新しいタイプのカレーのメニューを投入する予定です」
新しいメニューにも期待が膨らみます。「一生に一度は食べてほしいカレー」は、重箱で提供される豪華なルックスの甘辛いクセになる味。しめのデザートに至るまで細部に渡り、代表・藤野さんとスタッフさんの強いこだわりが感じられました。
わざわざ食べにくる価値のあるランチです!お近くにこられた際は、ぜひ「yukartの森」のランチで、彩りあふれる玉手箱を開けて、アートと共に堪能してみてくださいね。
yukartの森
住所:神奈川県横浜市中区相生町1-6 関内高坂ビル1F
アクセス:みなとみらい線「日本大通り」・「馬車道」駅から徒歩約6分
JR根岸線・京浜東北線「関内」駅下車 徒歩約4分
TEL: 045-663-8005
営業時間:ランチ 11:30-17:00
店休日:ランチ 水曜日
ホームページ: https://singyokohama.com/
※価格は2024年4月の取材時のものです。販売されている商品や価格は変更になる場合がありますので、最新の情報はホームページ等をご確認ください。