みなとみらい線「元町・中華街駅」を出て徒歩約5分。元町ショッピング・ストリートから続く、なだらかな坂道の代官坂には、雑貨屋さんやパン屋さん、おしゃれなカフェなどの飲食店が点在しています。
そんなおしゃれな代官坂沿いに2024年6月にオープンした食堂ノチノチ。提供されているお料理が、おいしくてほっとする味と評判になっています。
今回は、お花に囲まれて食事が楽しめる元町・代官坂で話題の食堂ノチノチを紹介します!
「宮崎生花店」のなかにある食堂ノチノチ
食堂ノチノチは、元町の代官坂を少しあがった場所にあります。周辺には元町公園やカフェ、雑貨屋さんが。坂の上には山手の洋館や港の見える丘公園などがあり、横浜屈指の観光ポイントに位置しています。
ここ横浜・元町で明治時代初期に開業。現在まで続く老舗の生花店「宮崎生花店」のなかに食堂ノチノチがあります。
もともとは「宮崎生花店」のなかに「HAHACAFE」というカフェが併設されていたのですが、コロナ禍になり休業。2020年10月から代官坂で、ハンドメイド雑貨店「ニチニチ」を営むオーナーの田村さんが休業中の「HAHACAFE」で、元町でお店を営む方々といっしょにイベントを始めたそう。
「もともと宮崎生花店さんには、ニチニチオープン直後からお世話になっていまして。
コロナ禍以降、使われていなかったカフェ・スペースを有効活用できればと、『オバンザイnight』という食のイベントを1年ほどやりました。やっているうちに、元町で働く人が気軽に食べられるお店が意外と少ないことに気付いて、ここに食堂があればいいなと思って開店することになりました」と田村さん。
こうしてお花屋さんの「宮崎生花店」のなかに、食堂ノチノチができたのです。
SDGsを意識した食材から生まれるランチ
食堂ノチノチは、座席数8席とコンパクトなつくり。カウンター2席。ふたり用と4人用のテーブル席がひとつずつあります。
小あがりになっているダークブラウンの床と白い壁、木製のテーブルとイス。さりげなく置かれた植物やドライフラワー、アートは、名作小説『赤毛のアン』に出てきそうな世界観。
天井にはドライフラワーが吊るされていて、お花やグリーンを眺めながらリラックスできる空間となっています。
食堂ノチノチで提供されるメニューのテーマは、「家庭料理」。メニューは、田村さんがその日の朝に決めるそう。水曜日はおにぎりの日と今のところは、水曜のみ固定のメニューとなっているとのこと。おにぎりしばりとなってはいますが、具材は変えているそうです。
人気のメニューは、からあげやハンバーグ。いつ食べられるかは田村さんのさじ加減で決まります。何が出てくるかわからないところは、家族が作ってくれるおうちで食べるごはんのようですね。
お料理に使われる野菜は、知り合いの農家さんから規格外の野菜を譲り受けるなど、食の廃棄問題にも積極的に取り組んでいます。また、お店の周辺であれば、宅配もしてくれるうえに、お惣菜だけなど食べたいものや必要なものだけを買えるのも魅力のひとつ。
ご近所の方がお惣菜だけを買いに来たり、配達したりすることもあるそうです。
肉々しくジューシーなメンチカツ、いただいてみました
本日のランチをオーダー。メニューは、メンチカツをメインに3種類の副菜、ごはんとお味噌汁の定食メニュー。
メンチカツは、オーダーしてから揚げています。待っている間、店内に揚げもののいい音と香りが広がります。
洋風のお皿でやってくるのかと思っていたら、和風の食器だったのが意外でした。
きゅうり、大葉、キャベツのサラダは、大葉と和風のドレッシングのさわやかな風味が広がります。なすとピーマンのじゃこ炒めは、風味がよくやさしい味付け。たまにくるじゃこの塩味がたまりません。
3種のきのこの梅おかか和えは、ほどよい塩味と梅の酸味のバランスがよく、副菜としてだけでなくお酒のアテとしてもいいお味です。
揚げたてのメンチカツが肉々しく食欲をそそります。メンチ自体の味がしっかりしているので、ソースなしでもよい感じ。
メンチカツのソースは、しょうゆをベースにしたオリジナルのソース。ソースをかけるとよりおいしさが増します。メンチが冷めても肉々しさが抜けず、最後までおいしくいただけました。
ごはんもお味噌汁もおいしく、やさしくてほっとする味。見た感じ、よく食べる方にはちょっと少ないかな?と思いましたが、ボリュームがあって満腹になりました。
お花屋さんの一角で、こんなにちゃんとしたものが食べられるとは驚いたと言ったお客さまの声もありました。これだけ食べて1,100円とはかなりコスパもよいと言えるでしょう。またお店の雰囲気がよく、お花に囲まれて食べるごはんにすっかり癒されてしまいました。
田村さんが作るメニューが、代官坂や元町周辺の方々に大人気な理由がよくわかる味でした。おすすめです!
今後はワークショップなどのイベントも
食堂ノチノチを開店して約3ヵ月。田村さんにうれしいことはどんなことかを聞いてみました。
「インスタに今日のメニューをのせているのですが、見た方が晩ごはんの参考にしていますと言ってくれたのがうれしかったですね。毎日ごはんを作るって、大変なこと。たまにレシピを聞かれることもあって、役に立っているんだなぁと。あとはお店にいらした方が、お花を眺めながらごはんを食べてのんびりしている姿を見るとよかったなって思います」
今後はカフェ・スペースを活用して、ハンドメイドのワークショップやイベントなども開催していきたいとのこと。11月中頃から12月にかけては、「代官坂クリスマス・マーケット」を計画中。
代官坂に店舗を構えるお店の方々と協力し、食べて買って癒される体験ができるとのことで、楽しみなイベントになりそうです。
また、現在は不定期開催となっていますが、「オバンザイnight」も出来る限りやっていきたいとのこと。「オバンザイnight」は、月末の金曜日か土曜日の夜にお酒を飲みながら、元町の飲食店3~4店舗のお惣菜が楽しめるイベント。
お惣菜はテーマに合わせたメニューを提供いただいているとのことで、思いもよらない料理が並ぶことがあるそうです。お酒は横浜の地ビールを出すなど、地域に密着したメニューとなっています。
元町に住む方や働く方だけでなく、来られたお客さまに喜んでもらえるようなお店を作っていきたいと語る田村さん。
元町・代官坂に来られた際は、やさしくておいしい家庭的なメニューを楽しめる食堂ノチノチにぜひ立ち寄ってみてください。
お料理とお花に癒される、ステキな時間がすごせますよ。
食堂 ノチノチ
住所:神奈川県横浜市中区元町2-108(宮崎生花店内)
アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」下車徒歩約5分
TEL: 045-681-8701(宮崎生花店)
営業時間:11:30-16:00
店休日:月曜日・火曜日
Instagram アカウント: @syokudo.nochinochi
オバンザイnight アカウント:@obanzai.night
※価格は2024年9月取材時のものです。販売されている商品や価格は変更となる場合がありますので、最新の情報はホームページ、SNS等をご確認ください。